2010年07月03日

月山開山祭に行って参りました

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7月1日は、月山開山祭。
今年は天候に恵まれ、湯殿山まで駈けることができましたよ。
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前日は雨でしたが、八合目駐車場からこの景色。
雲海に浮かぶのは鳥海山です。
この空の色を見ると、「月山に来た」と感じます。

月山の開山は「御戸開き(みとびらき)」といわれます。
御戸とは、江戸初期の慶長から元和にかけて呼んでいたそうで
今もその名残が伝えられているのだとか。

月山の夏は、九月十五日の「御戸閉め」まで、実に短い期間です。

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まだ車道が月山八合目までつかなかった頃
月山への登拝は、月山十三仏道を歩きました。
かつて芭蕉もほぼ一日がかりだったといいます。

十三仏道とは、羽黒山から月山禅定(山頂)まで
十三の仏が配置されていたからで、参道には死者の霊が弔われていました。

人が死ぬとその霊魂は月山山頂に向かって旅立つ。
しかし、過去世の穢れが浄化されないうちは
途中のどこかで成仏できずに留まる・・・

十三仏道を歩き、死霊を供養することは
その穢れを浄化して、阿弥陀浄土に成仏するという願いなのでした。

かつて月山は本地阿弥陀如来、垂迹月読命を祀っていた山です。

明治維新以来、月山神社の主神は月読命(つきよみのみこと)。
伊邪那岐の右目から生まれた子神で
天照大神(あまてらすおおかみ)、建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)
と姉弟神です。

月読命はまた、夜を治める神であり、死者の国(黄泉の国)を司る神。
月と農業はかかわりが深いことから、農耕の神でもあります。

つまり月山は、死霊や祖霊の鎮まる山であるとともに
庄内に絶えることのない水を与える山なのですね。

そんな月山の開山祭なわけですが
前置きが長くなってしまいました。

さてさて、一行は駐車場から中ノ宮へ。
お祭りの無事を祈って参拝です。

ここから山頂への登拝スタート〜。

参道にはニッコウキスゲが花ひらき
緑の湿原に鮮やかなアクセントをつけていました。
一面に広がるのは例年七月半ば頃です。

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無量坂で八合目中ノ宮を望むの図。
ふー、見晴らし良すぎ。気持ちいいなぁ。
山の中に入ると体がきびきび動きますねぇ。

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九合目仏生池小屋を越えたところ。
この先に難所・行者返しが待ち受けてます。

途中で行仲間に合流しました。後ろに見えるのは大峰。そして
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雪の向こうに見えるのが、月山山頂です。

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ことし何度登らせてもらうかわかりませんが、
山駈けの無事を祈って。

開山祭が行われ、今年も夏が始まりました。

昼をはさんで、湯殿山へ下ります。
このルートですが、かつて行者、道者は月山山頂から湯殿山への稜線を
蘇悉地(そしつじ)と読んでいました。
「この上なき成就、妙成就」という意味です。

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月山から湯殿山へ詣でるルートが、羽黒修験の信仰
つまり、月山へ登拝することで極楽浄土が成就され
薬師如来によって輪廻の世界を脱して、
湯殿山大日如来の宝窟(湯殿山のこと)で即身成仏できるという信仰
に合致していたからです。

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途中には、万年雪として残る雪渓も。
遠くからみると山腹が牛のまだら模様にみえることから
月山は犂牛山(りぎゅうざん)ともいわれる所以です。
あにはからんや、この先では夏もスキーヤーをお見かけしますね。

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さて、ここは薬湯場前。30年前まではここに小屋があったそうです。
近辺は浄土口ともいわれました。

湯殿山の御宝前に向かう月光坂を下る前に
装束を調え、薬湯をのみ、心身を清めたのでしょう。
浄土にいたる入り口ということですね。

ちいさな水芭蕉が花を咲かせてました。
春から初夏までの花が見られるとは、さすが月山です。

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ここを下れば、梵字川。湯殿山へは間もなく。

湯殿山は、かつて出羽三山の総奥の院として
三山(中世には月山・羽黒山・葉山、その後に月山・羽黒山・鳥海山)
の奥に位置する、最も重要な聖地とされていました。

元亀・天正年間に、出羽三山に組み入れられて以来
大日如来の宝窟と崇めるようになったそうです。

タニウツギの咲く谷を下り
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見えてきました。湯殿山です。

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絶好の天気、一行無事の山駈け、これ以上望むべくもない開山祭でした。

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ある時、三山講中のお年寄りと話していて
とても印象に残ったのですが、
足腰立たなくなったけど、開山祭に月山を登れて
ほんとうに山のお陰だなぁ、としみじみ仰られるんですよね(もちろん方言で)。

まだ体が動く若いうちは、自分が登ってきたとか
自分がやったんだ、と思ってしまうのでしょうけれど
山を登るって、それだけじゃないんですよね。

もっと大きなもので世界は回っているし
自分もその中で突き動かされているだけではないか、と
山にいると感じます。

それを感じることも、
山に登ってしまう理由の一つかもしれないなぁ、と。



さて、湯殿では今回もご神体の上で蛇と出会い、
参拝をして直会へ向かいました。

この天気で、日焼け跡が赤くなったのは言うまでもありません。
あ、酔いのせいではありませんよ。

posted by hagurokanko at 17:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 出羽三山
この記事へのコメント
すごい快晴ーー!

いい景色だね!

今年もこんな天気で月山登りたいです。
晴れますよーに!
Posted by はんにゃ at 2010年07月04日 23:19
>はんにゃ

サンキューです。

イエイ!な天気でした。

今は焼けた皮がペリペリめくれてるけど笑

待ってるよ〜!!

Posted by ナルセ at 2010年07月05日 22:36
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