いよいよ最終回!
いにしえの羽黒山を辿るU その4のレポートです。
前回お伝えしたのは吹越から荒澤寺の常火堂まででした。
その常火堂にいます臂切不動明王。
大日如来の化身とされる修験道の本尊です。
常火堂の傍には独鈷清水(どっこしみず)があります。
常火水ともいわれ、清らかなことで聞こえており
冬になると岩魚が集まって春を待つ
といわれたそうです。
そして荒澤寺から裏手の山に入ってゆけば
いよいよ野口に到着します。
ここが今回の終点、野口!
この開けた場所には、かつて茶屋があったそうです。
何とも気持ちいい場所!(写真ではあまり伝わらないかも?)
風の吹き抜けぐあいが心地よいです。
そのまま月山目指して上昇するんでしょうね。
そして人も、この道を踏みしめて登ったはず。
荒澤から野口までの道すがらには、かつて観音堂がありました。
祀られていたのは、十一面観音。観音さまです。
そこは月山への入り口であり、女性のための月山遥拝所でもありました。
平泉から落ちてきたある尼君が
後生菩提を弔うため参詣したともいわれています。
体がその先に行くことができないために
願いを放った場所なんですね。
野口からは月山山麓が見渡せます。
この景色、おそらく数百年前とそれほど変わらないのではないでしょうか。
しかしこの旧参道を知る人はわずかです。
すでに幾筋もの道が、そこを通った人や、運ばれた物や
そこで育まれた文化と一緒に消えたのでしょう。
考えてみれば、気が遠くなります。
一本の道が、一体どれだけの記憶を宿しているのかと思うと。
古道を行くのは、土地の記憶のざわめきに
耳をすますことなのかもしれません。
今回の歴史の旅先案内人、渡部幸さんはこういいました。
こうした催しを開くのは、文化を語りつないでゆきたいし
今度は参加した人がそれを誰かに伝えて欲しいからです、と。
古地図を片手に、出羽三山の歴史を訪ねる歴史探訪は
そんな気持ちのもとに、この一年間を無事終えることができました。
参加していただいた皆さん、どうもありがとうございました。
来年も開催の予定です!
どうぞ楽しみにしててください〜!