2009年07月22日

花祭りが行われました!

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7月15日、花祭りが行われ
羽黒山山頂は朝から大きな賑わいに包まれました。
出羽三山の年に一度の例大祭が花祭りです。

造花を奪い合う参拝者の姿が印象的なこの祭り。
よくご存じの方もいらっしゃると思いますが
初めての方のために、あらためてご紹介を。

花祭りは、農耕の豊穣を祈る祭りといわれています。
7月15日は、ちょうど稲の花が咲くころなんですね。

祭り当日はどのように進むかといえば
午前9時から、羽黒山内の東照宮で奉納される黒川能をはじめ
羽黒山にゆかりある庄内地域の芸能が繰り広げられます。

正午からは、神輿舎から月山神社、出羽神社、湯殿山神社の
三基の神輿が出されて、三神合祭殿で神移しの儀が行われます。

それから、献燈三基とともに神輿は三神合祭殿前の御手洗池
一周を巡行します。

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これが献燈(けんとう)。万灯(ばんとう)とも花梵天(はなぼんてん)とも呼ばれ
稲の花をかたどった花で飾られています。
これを担ぐのは、地元手向の若者衆です。

巡行は、前導山伏を先頭に、神木、万灯、神輿、斎主以下祭員
巫女、高寺八講連等が続きます。

参詣人は花を手に入れようと殺到し、奪い合い行列は一時騒然となります。

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花には神の恩恵が厚く、それゆえ良き実りが得られると
信じられているからです。

持ち帰って家の門戸に飾り、五穀豊穣、家内安全
悪魔退散の護神とするんですね。

神輿が再び合祭殿に戻ると、祭りの終わりです。


現在こうしてわれている花祭りは
かつて山伏修行「夏の峰」の盛儀でした。

戸川安章著『出羽三山修験道の研究』をひもとくと
次のようにあります。

…昔は、陰暦の4月8日から7月14日までの96日間
羽黒三所権現の宝前に花を供えて、始夜(深夜)と
後夜(未明)に鐘を撞いて現世・後世の安穏と菩提を
祈るところから「花供(はなく)の峰(みね)」ともいう。
この期間中は諸国の末派山伏が信徒や弟子山伏等を率いて
入峰することから「夏の峰」と呼び、煩悩多き現世から
悟りの彼岸に駈ける修行としていた。この夏の峰中の盛儀が
6月15日(陽暦の7月15日)、羽黒山頂で行われる花祭りなのである。

 花供の峰の期中、毎始夜・後夜に撞かれた鐘は、始夜は
月山阿弥陀如来の四十八祈願を念じて48点、後夜は百八の煩悩の
滅除を祈って108点撞いたという。また宝前に供える花は96ヶの
花器に盛り、その水は羽黒山上の閼伽井坊の井戸から汲み
花に注いだと言う…


96日間に及ぶ夏の峰修行の重要な儀式が、花祭りでした。

夏の峰は、一ヶ月後の陰暦7月14日まで続き
この日まで続けられてきた花供、始夜・後夜の鐘撞も終わります。

梅雨の季節、毎夜鐘音が響き渡る羽黒山。供えられる花。
深い闇に滲む、花々の色。
想像するだけで、濃厚な死のイメージが漂ってきます。

修行満願である14日前夜には、柴灯祭という三界万霊の成仏を
祈るお祭りが月山山頂で行われます。

こうした「お盆」のイメージは
明治の神仏分離以来、花供と鐘撞き等の短縮や
柴灯祭開催が陽暦に変わるなどして、姿を消してしまいました。

現在では、花祭りのほか、5月8日の田植え祭
そして夏の月山登拝が過日の面影を留めています。


posted by hagurokanko at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 出羽三山
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